2017年度 第2回名古屋社会心理学研究会(NSP)のお知らせ(12月16日)

2017年度第2回名古屋社会心理学研究会(NSP)を以下の通り開催します。発表者は滋賀大学経済学部の竹村幸祐氏です。

本研究会への参加は無料であり、どなたでも自由にご参加いただけます。また、事前連絡も必要ありません。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

日時
2017年12月16日(土)15:00-17:00

場所
名古屋大学教育学部2F 第3講義室

発表者
竹村幸祐氏(滋賀大学経済学部)

タイトル
集合的問題解決の一環としての相互独立性

概要
本発表では、文化心理学の中心概念のひとつである「相互独立性」が、協力行動とどのような関係を持つかを分析した研究を報告します。相互独立性とは、自他を切り離して考える傾向を指し、国や地域による差がある(e.g., 北米で東アジアより高い)ことが知られています。こうした国・地域の差は「文化」、すなわち、ある種の集合現象の中で生じていると仮定されてきました。しかしながら実際には、集合プロセスの中に相互独立性を位置づけて理解しようとする試みは、これまで十分になされてはいませんでした。発表者は、協力関係の中で相互独立性が果たす役割に注目することで、これに迫ろうと考えています。
この研究では、2種類の協力行動に注目しています。ひとつが、資源獲得における不確実性への集合的対処としての共同分配への協力(Kameda, Takezawa, Tindale, & Smith, 2002)です。もうひとつが、集団意思決定への協力(e.g., 提案行動; Kameda, Tsukasaki, Hastie, & Berg, 2011)です。これらはいずれも、集団メンバーが相互に独立である時に十全に機能するはずで、ここで相互独立性が一定の役割を果たすと考えました。発表では、漁業者を対象とした社会調査や大学の部活動についての調査の結果を報告します。

名古屋社会心理学研究会 (NSP)