心理危機マネジメントコース

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心理危機マネジメントコースについて

名古屋大学大学院教育発達科学研究科心理発達科学専攻では、平成20年度から、博士後期課程に「心理危機マネジメントコース」を設置しました。

今日、行政、企業、組織、教育現場など、あらゆる領域で危機にどう対応するかという危機管理の理論と実践が求められています。構成員の多くが死傷するような事件・事故、自然災害、構成員の不祥事等に遭遇することで、組織は危機に陥り、構成員に心理危機が生じます。

従来、心理危機へは、臨床心理学を背景にした個別対応がなされることが中心でしたが、組織全体が危機状態の際には、当該個人のみならず、組織全体に対してなされる必要があります。また、従来の危機管理においては、心理危機への対応は危機管理の4段階(Kerr, 2008; 予防Prevention、準備Preparation、対応Response、回復Recovery)の3、4段階に位置づけられるに留まっていましたが、心理危機の拡大や二次的な被害を防止するには、予防段階からの体系的な取り組みが求められます。しかしながら、現在の日本では組織全体を視野にいれた心理危機への包括的なアプローチは、未だ発展途上であると言わざるを得ません。

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このコースは、行政、企業、教育現場などで心の問題や心理危機に関わる仕事に従事している現職の社会人を対象に、臨床心理学や社会心理学、発達心理学、認知心理学、パーソナリティ心理学、計量心理学を初め、経営組織学、マネジメント学等幅広い学問領域を背景にして、心理危機への組織的・包括的アプローチ<心理危機マネジメント>の理論と実践モデルの構築を目ざすものです。これまでに行政、福祉、教育領域等から公務員、教員、臨床心理士など多彩な人材が入学し、各自の日々の実践に即した研究に取り組んでいます。

定員

若干名(4名程度)

コースの教育目標

このコースの教育目標は、行政、企業、教育現場などで心の問題や心理危機に関わる仕事に携わっている現職の社会人を対象に、臨床心理学や社会心理学、発達心理学、認知心理学、パーソナリティ心理学、計量心理学をはじめ、経営組織学、マネジメント学などの幅広い学問領域を背景にして、心理危機への組織的・包括的にアプローチできる研究者-実践家を養成することです。

取得できる学位

博士(心理学)

出願資格と履修体制

出願条件は、修士(相当する学位、経験や能力を含む)の学位を有するもので、原則として関連分野での社会人経験を3年以上もつ人です。スクールカウンセラーや教員、被害者支援等、子どもの心の問題、心理的危機に関わる仕事の経験を有している人を対象としています。

本専攻では、在職のまま学位取得ができるような仕組みを持っております。このコースの学生も、在職のまま授業を受け、研究を行い、修了することができます。

本コースは、名古屋大学大学院教育発達科学研究科心理発達科学専攻の教員全員で担当しています。各自の研究テーマに応じて指導教員を選択し、月に1回の授業とは別に個別指導を受ける体制となっています。

授業

授業は事例研究と研究検討が主となります。基本的に毎月第三土曜日に行なわれます。

2017年10月の授業内容

10月は教員4名、院生9名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者2名の発表、また事例研究では2名の担当者から事例が提供され、討議が行われました。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「ロールシャッハ法に表れた薬物関連障害の臨床的特徴ー覚せい剤関連障害と危険ドラッグ関連障害―」
    • 「児童養護施設における子どもの心理支援に関する研究―学習と進路の問題とその支援に着目して―」
  • 事例研究のテーマ
    • 「保護者支援に向けた虐待通告と関係機関連携のあり方」
    • 「反抗挑戦性障害の傾向が見られる中学生の事例」

2017年7月の授業内容

7月は教員5名、院生9名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者3名の発表、また事例研究では2名の担当者から事例が提供されました。それぞれについて討議が行われました。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「中学校におけるスクールワイドな自殺予防教育の導入・実践過程に関する研究」
    • 「不登校経験者のキャリア・アダプタビリティ形成」
    • 「特別支援教育に携わる小中学校教員への効果的な支援に関する研究」
  • 事例研究のテーマ
    • 「被措置児童虐待への対応事例」
    • 「学生相談における危機対応事例-自殺未遂後の対応について―」

2017年6月の授業内容

6月は教員6名、院生11名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者2名の発表、また事例研究では2名の担当者から事例が提供されました。それぞれについて、60分程度の討議が行われました。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「学生相談臨床でのアセスメント視点」
    • 「生徒の死亡事故を経験した養護教諭の変容過程-事故後15年の語りから-」
  • 事例研究のテーマ
    • 「精神科での医療事故への支援」
    • 「進路を決めきれない葛藤を抱えた学生へのサポート」

2017年5月の授業内容

5月は教員4名、院生12名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者1名の発表があり、50分間討議が行われました。
また、事例研究では、2名の担当者から事例が提供され、それぞれ60分と90分間の討議が行われています。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「中学校教師が直面する生徒指導上の危機とそのサポート―校内外の身近なサポート源の有効活用を目指して―」
  • 事例研究のテーマ
    • 「地下鉄サリン事件 被害者・家族の心理」
    • 「児童自立支援施設退所者の高校進学後の社会適応過程」

2016年10月の授業内容

10月の授業では教員3名、院生8名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者1名の発表があり、45分間討議が行われました。
また、事例研究では、2名の担当者から事例が提供され、それぞれ90分間討議が行われています。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「インクルーシブ教育システムにおける特別支援教育に携わる小中学校教員への支援に関する研究-特別支援学校のセンター的機能型コンサルテーションを通して-」
  • 事例研究のテーマ
    • 「地震で実家が被災した女子学生の心理面接-学生相談室での対応」
    • 「ADHDを合併した依存症の事例」

2016年11月の授業内容

11月の授業では、教員5名、院生8名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者2名の発表があり、それぞれ45分間討議が行われました。
また、事例研究では、1人の担当者から事例が出され、90分間討議が行われています。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「大学生に対するメンタルヘルスの危機管理について-学生を守る3方向からのマネジメント-」
    • 「投影法から見た薬物依存症者の回復時期ごとの特徴と断薬継続に至る経過」
  • 事例研究のテーマ
    • 「子どもの性的問題の発覚経緯とその後の対応」

2016年12月の授業内容

12月の授業では、教員4名、院生6名により授業が開催されました。
博士論文の研究構想について担当者3名の発表があり、それぞれ45分間討議が行われました。

  • 博士論文の研究構想発表でのテーマ
    • 「児童養護施設入所児の性的問題の予防に関する研究」
    • 「児童養護施設における子どもの心理支援に関する研究-学習と進路の問題とその支援に着目して-」
    • 「危機状況における組織的な心理的支援体制構築に関する研究-大規模自然災害後の心理的支援体制モデルの構築を目指して-」

研究

在籍者の研究テーマ一覧です(2017年5月17日現在)。

  • D1
    • 不登校経験者のキャリア・アダプタビリティ
    • 職務レジリエンスの発揮を支援するためのアプローチに関する研究
    • 理系大学生の就職活動に伴う困難とその支援について
    • 東日本大震災による原子力災害の避難者心理について
  • D2
    • 投映法から見た覚せい剤関連障害者の回復段階ごとの特徴
    • 学生相談臨床でのアセスメント視点-学生のポジティブな特性と連携業務を重視したケースフォーミュレーション手法の提案-
  • D3
    • 児童生徒の死亡事故を経験した養護教諭の成長に関する研究
    • 特別支援教育に携わる小中学校教員への効果的な支援に関する研究-特別支援学校のセンター的機能型コンサルテーションを通してー
    • 施設児童の高校進学後の適応過程
    • 児童養護施設における子どもの心理発達支援に関する研究-学習と進路の問題とその支援に着目して-
    • 性犯罪者の成人愛着スタイルについて
    • 中学校教師が直面する生徒指導上の危機とそのサポート
    • 中学校におけるスクールワイドな自殺予防教育の導入・実践課程に関する研究

受験をお考えの皆様へ

心理危機マネジメントコースでは、関東、関西、九州等、日本全国から集まった社会人学生が在籍し、それぞれの専門を活かした研究に取り組んでいます。本コースへの入学を検討されている方は、入試案内のページをご参照いただくとともに、指導を希望する教員に連絡をとってください。

お問い合わせ先

〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
心理危機マネジメントコース
shinrikiki [at] educa.nagoya-u.ac.jp (atを@に変えてください)