「統計解析ソフトRのスクリプト集」公開のお知らせ

石井准教授の作成した「統計解析ソフトRのスクリプト集」をオンラインで公開します。名古屋大学教育学部の「心理・教育の統計学」の授業で実際に使用されている教材です。学習・研究にご活用下さい。

  • 2016.4.5 Ver. 4.0βを公開しました。棒グラフオプション、オメガ係数、効果量、標本サイズの推定などの記述が加わりました。
  • 2015.3.18 Ver. 3.0βを公開しました。記述統計量の算出の部分を統一的にしたのと、データ例を書籍にあわせて変えています。
  • 2014.11.4 Ver. 2.2βを公開しました。

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統計解析ソフトRのスクリプト集 (PDF)

下記のサイトでは、シラバスと講義資料が公開されています。あわせてご活用下さい。

「心理・教育の統計学」(名大の授業)

講義資料 (PDF)

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はじめに 石井秀宗

この冊子は,心理学や教育学の研究でよく用いられる統計手法に関して,統計解析ソフト「R」のスクリプト(プログラム)をまとめたもので,授業の補助教材として作成されたものです.

Rは,スクリプトと言われるプログラムを書いてそれを実行する,という使い方をします.例えば,クロス表を表示するとしたら,スクリプト画面に table(d1$x2, d1$x2) と書き,この部分を選択して実行します.すると,出力画面に,実行したスクリプトとその結果が表示されます.ここで,table がゴシック体になっていますが,これは,table がRの関数であることを表しています.

スクリプト画面上でこのような表示がされるわけではありません.この冊子においては,Rの関数とそうでないもの(分析者が指定する変数名など)を区別するために,このような表示をしています.

本冊子では,重要と思われるコメントもゴシック体にしてあります.これは基本的に和文で,「#」を前に書いてコメントアウトしてあるので(Rは認識しない),それがRの関数でないことはすぐわかると思います.

正しいスクリプトでないとソフトは動かず,エラーとなります.正しいスクリプトを書いて結果が表示されると,とても嬉しい気持ちになります.

また,スクリプトを書くのに慣れてくるにつれ,分析法を考える 力が増し,統計解析リテラシーが向上します.

Rは開発環境が公開されているため,多くの研究者がボランティアで開発に関わっている,世界的に定評のあるフリーソフトです.新しい統計手法がすぐに取り入れられるという利点はありますが,同じ分析をするのでも開発者が複数いて,多数の関数が存在することがあったり,古い関数が使えなくなったりするという欠点もあります.ユーザー自身が使いやすい関数を選び,時折,知識を更新する必要があります.

Rは日々開発されていますので,この冊子の内容もすぐに古いものになってしまいます.ですので,こんな関数があるとか,ここの記述は間違ってる,これはもう使えないなど,気づいたことがありましたら,教えて頂ければ幸いです.

本冊子はRの実行に主眼を置いているため,分析結果をどのように解釈するかについてはほとんど触れていません.統計分析の手法や結果の解釈については,別の成書にあたって下さい.参考までに,本冊子作成者が書いた書籍を挙げておきます.

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石井秀宗 (2014). 人間科学のための統計分析―こころに関心があるすべての人のために― 医歯薬出版

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石井秀宗 (2005). 統計分析のここが知りたい―保健・看護・心理・教育系研究のまとめ方― 文光堂