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研究室の紹介

教授 吉田俊和(YOSHIDA, Toshikazu)

名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士(教育心理学)

プロフィール研究科による紹介 | ReaD

観察者や共行動者といった他者の存在が,個人の課題遂行行動にどのような影響を及ぼすかという,社会的促進過程を中心とした実験的研究を行ってきました。また,対人関係(仲間関係,教師−生徒関係,きょうだい関係)に関する調査的研究も行ってきました。近年は,教師のモラールを学校組織(管理職のリーダーシップやチームワーク等)の観点から研究したりもしました。最近は,大学生が4年間の間に社会的スキル・人間観・認知能力・集団アイデンティティをどのように獲得していくかを縦断的に研究したり,社会的迷惑行為が生起するメカニズムやその抑止方法に関心を持っており,中学生を対象として社会志向性社会的コンビテンスを教育する授業実践を行っています。

研究プロジェクト

 「ネットいじめ」に関する研究(社会連携研究)

ネットを媒介とした「いじめ」防止システム開発に向けた基礎的研究を,株式会社KDDI研究所と共同研究を行っています。

(詳細については順次更新予定)

 社会環境が子どもの社会化に及ぼす影響

(詳細については順次更新予定)

 社会的迷惑行為に関する研究

私たちの社会を,安全にそして平和に維持している根幹にあるのは法律です。しかし,私たちの日常的な社会生活を円滑に進めているのは,法律とは別のマナーとか,エチケットとか,公衆道徳と呼ばれる「社会規範」です。最近,こうした社会規範が大きく揺らいでいて,他の人の行動によって不快な気持ちにさせられたり,ストレスを感じさせられることが多くなってきています。

毎日の通勤や通学を想像してみてください。車で通えば,無理な車線変更を繰り返す人,車道を並んで走る自転車,コンビニの駐車場が空いていても,道路上に駐車して買い物する人などがすぐに目につくことでしょう。電車で通えば,強引に割り込む人,車内でも携帯電話の呼び出し音を切らない人,駅構内の通路の真ん中で話し込み,人の流れを混乱させる人など,枚挙にいとまがありません。こういった迷惑な行為が増えている原因はいくつか考えられます。共同体社会の崩壊と生活空間の拡大によって相互監視システムが機能しなくなったこと,情報化社会への移行によって,価値観の多様化が進み,個人の価値判断が優先されるようになったことなどもその一因でしょう。

この研究では,迷惑な行為をどうしてしてしまうのか,またどうすれば防ぐことができるのかといった点について,心理学的な調査や教育活動などを通して解明しています。

この研究プロジェクトは,魅力ある大学院教育イニシアティブに採択されました。

 中学生を対象とした授業実践

現在の子どもたちを取り巻く問題として,対人関係や対社会的関係能力が低下していることがあげられます。都市化や核家族化の進行によって家庭や地域社会が持っていた「教育力」が低下したために,子どもたちは,基本的な対人関係や社会に関するルールを教えられないまま成長します。そのために,人とのつきあいが苦手になり,友だちとの関係に深入りすることを避け,自分と気の合う仲間だけで小さな「社会」を作り,自分たち以外の「社会」にはまったく関心を示さなくなってしまいます。このような傾向は,社会的迷惑の発生とも深い関係があるといえます。家庭や地域社会が持っていた教育力が低下した現在,学校教育がこの役割を補うべきでしょう。

このプロジェクトでは,人間や社会というものを考えるための基礎となる社会的スキルや社会的コンピテンスを高めるための授業プログラムを開発し,その実践教育を行うことを目的としています。

これまで,

  • クローズアップ現代(2001年6月26日放送)
  • 読売新聞「教育新世紀」
  • 朝日新聞

の各メディアで取り上げられました。

 大学生の適応過程に関する縦断的研究

大学は大きく変貌し始めています。1960年代半ばまでの大学は,「知の最高学府」と呼ばれ,一部のエリートや少数の裕福な階層の人だけを教育する場でした。しかし1960年代後半から,我が国の大学進学率は上昇し続け,現在では同世代の約半数が大学や短期大学に進学しています.マスプロ教育の弊害,大学のレジャーランド化,学力低下などさまざまな批判が大学教育に向けられ,小・中・高校における教育と同じように,大学教育も社会からのニーズや期待に応えることが必要になってきました。

そこで現代の大学生が,何を考えて大学に進学し,どのような大学生活を送り,何を学んで卒業していくのか,という大学生の社会化プロセス全体を検討して,その適応過程を検討することがこの研究の目的です。大学入学後の4年間,縦断的にさまざまな調査を行い,それぞれの要因の関連を明らかにしています。

主な著書

  • 体験で学ぶ社会心理学 吉田俊和・元吉忠寛 (編) 2010 ナカニシヤ出版 出版社による詳しい解説
  • 社会的迷惑行為の心理学 吉田俊和・斎藤和志・北折充隆 (編著) 2010 ナカニシヤ出版 出版社による詳しい解説
  • 学校教育で育む「豊かな人間関係と社会性」−心理学を活用した新しい授業例 Part2 21世紀型授業づくり99 吉田俊和・廣岡秀一・斎藤和志(編著) 2005 明治図書 出版社による詳しい解説
  • 教室で学ぶ「社会の中の人間行動」―心理学を活用した新しい授業例 21世紀型授業づくり48 吉田俊和・廣岡秀一・斎藤和志 (編著) 2002 明治図書 出版社による詳しい解説
  • 生きる力をつける教育心理学 速水敏彦・吉田俊和・伊藤康児(編) 2001 ナカニシヤ出版
  • 社会心理学キーワード (共著) 2001 有斐閣
  • 社会心理学−個人と社会の理解− 吉田俊和・松原敏浩(編) 1999 ナカニシヤ出版
  • 対人関係の社会心理学(共著) 1996 福村出版
  • 成長への人間的かかわり−心理・教育学的アプローチ−  (共著) 1995 有斐閣